ヒューマンホールディングス株式会社の事業子会社で人材サービス事業を運営するヒューマンリソシア株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:御旅屋 貢、以下「当社」)はこのたび、世界の大学等(※1 )におけるIT分野の卒業者数について調査し、「92カ国をデータでみるITエンジニアレポートvol.3 世界の大学等におけるIT教育について独自調査」として発表しました。
本調査では、卒業後IT技術者として就業する可能性が高い情報通信技術関連を専攻したIT分野の卒業者数と、AI(人工知能)やビッグデータ解析などで重要となる、科学・数学・統計学などSTEM(※2)関連分野を専攻した卒業者数について、世界92の国・地域の大学等を対象に調査しています。
※1 短大等を含む大学(学士、修士、博士)
※2 STEMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)分野を重視した教育のこと
※3 参照プレスリリース:ヒューマンリソシア株式会社「92 カ国をデータでみるITエンジニアレポートvol.1 」
(URL https://git.resocia.jp/info/post-developers-around-the-globe-survey/)
本レポートでは、世界92の国・地域を対象に、経済協力開発機構(OECD)や国際連合教育科学文化機関(UNESCO)、各国の統計データなどを元に分析しています。なお、中国については、同等のデータが取得できず参考値としており、出典に関する詳細は、本調査の最後に記載しています。
世界92の国・地域について、情報通信技術関連を専攻したIT分野の卒業者数を調査したところ、データが確認できた74の国・地域での合計は、年間約151.2万人となりました(図表①)。これは、約2,137万人である世界のIT技術者の約7%となります。また、地域別にみると、アジア・オセアニア地域が93.5万人を輩出しており、世界の6 割強を占めています。
AI(人工知能)やビッグデータ解析などこれからの科学技術の発展に重要となるSTEM関連分野においては、科学・数学・統計学などを専攻した卒業者数が、74の国・地域合計で、年間約237.8万人となりました(図表②)。地域別では、アジア・オセアニア地域が146.7 万人を輩出しています。
情報通信技術関連を専攻したIT分野の卒業者数を国別でみると、1位はインド(55.0万人)、2位が米国(14.8万人)、3位がロシア(9.3万人)となりました(図表③)。なお中国については同等のデータが取得できず対象外としていますが、エンジニアリング専攻の大学学部卒業者数は、55.0万人のインドの2倍以上となる118.0万人でした。
また日本は、3.4万人で9位に入りました。他のアジアの国々では、5位にフィリピン(7.7万人)、6位ミャンマー(4.6万人)、8位インドネシア(3.9万人)、10位マレーシア(3.0万人)などがトップ10 にランクインしています。
IT分野の卒業者数について、時系列でデータが取得できた直近年と比較した増加率を算出したところ(図表④)、アルメニアが183.3%増で1位となりました。続いて2位はハンガリーで81.7%増、3位はスロベニアで66.3%の増加でした。
一方、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向かう中、IT人材不足が叫ばれている日本は1.4%減と、卒業者数が減少しています。
各国のIT技術者の需給バランスを見る参考として、現役IT技術者数に対するIT分野卒業者数の割合を算出したところ、1位は244.4%のミャンマーとなりました(図表⑤)。ミャンマーでは、現役IT技術者の約2.5倍にも上るIT卒業者が年間で輩出されていることになります。続いて2位はイラン(58.3%)、3位はフィリピン(42.9%)と続きました。高い経済成長が見込まれる新興国が上位にランクインしており、これらの国々では、経済発展に向けて、IT人材の育成に注力していると考えられます。なお、この数値が高いほど、新たにIT技術者となりえる卒業者が多く輩出されており、IT技術者の供給力が高いと推測できます。
一方、先進国と呼ばれるG7構成国について見てみると、日本が3.1%、米国3.1%、ドイツ3.0%など、0.8%のイタリアを除き、3~4%前後に留まっています(図表⑥)。
※カナダについては、本調査シリーズでは対象外としています。
続いて、これからの科学技術の発展に重要となるSTEM関連分野について、科学・数学・統計学などを専攻した卒業者数を国別に見ると、1位はインドで、113.7万人となりました(図表⑦)。歴史的に数学教育で定評の高いインドが、圧倒的な人数の卒業者を輩出しています。続いて、2位が米国で28.1万人、3位がイギリスで10.2万人と続きました。
一方日本は、3.0万人で13位となりました。その他のアジアの国では、4位にミャンマー(8.2万人)、9位バングラデシュ(4.1万人)がトップ10位に入り、韓国は日本より上位の11位(3.5万人)でした。なお中国については同様のデータが確認できませんでしたが、参考までに、サイエンス専攻の大学学部卒業者数は25.6万人となりました。
続いて、STEM関連分野の卒業者について、時系列でデータが取得できた直近年と比較した増加率では(図表⑧)、最も増えていたのはデンマークで、44.7%増となりました。続いて2位は、アフリカのガーナで42.6%増、3位はコスタリカで32.4%増となりました。
日本は1.1%減と、IT分野の卒業者同様、減少しているという結果でした。なお、アジアの国でトップ10にランクインしたのは、10位のタイ(20.0%増)のみとなり、その他の主要国では、アメリカが20位(4.2%増)、インドが27位(2.6%増)となりました。
≪調査に関する出典/備考≫
1 ) IT技術者数について:当社調査レポートより引用しています。
参照プレスリリース:「92カ国をデータで見るITエンジニアレポートvol.1 」
URL:https://git.resocia.jp/info/post-developers-around-the-globe-survey/
2 ) 情報通信技術関連専攻の卒業者数:
・経済協力開発機構(OECD)および国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の統計データより、情報通信技術関連専攻の短大等を含む大学(学士、修士、博士)の卒業者数の短大等を含む大学 ・日本は文部科学省の学校基本調査より、電気通信工学分野専攻の短大等を含む大学(学士、修士、博士)卒業者数
・中国は中華人民共和国国家統計局のデータより、エンジニアリング専攻の大学学部卒業者数
3 ) 科学・数学・統計学分野の卒業者数:
・経済協力開発機構(OECD)および国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の統計データより、Natural sciences, Mathematics and statistics専攻の短大等を含む大学(学士、修士、博士)の卒業者数 ・日本は文部科学省の学校基本調査より、理学分野専攻の短大等を含む大学(学士、修士、博士)卒業者数
・中国は中華人民共和国国家統計局のデータより、サイエンス専攻の大学学部卒業者数
4 ) 調査対象国・地域(略称・順不同
アジア・オセアニア(20カ国・地域):中国、インド、日本、韓国、インドネシア、フィリピン、ベトナム、台湾、パキスタン、タイ、イラン、マレーシア、バングラデシュ、香港、シンガポール、スリランカ、ミャンマー、カンボジア、オーストラリア、ニュージーランド/北米(1カ国):アメリカ(米国)/中南米(14カ国):ブラジル、メキシコ、アルゼンチン、チリ、ペルー、エクアドル、ボリビア、グアテマラ、ドミニカ共和国、コスタリカ、ウルグアイ、ホンジュラス、エルサルバドル、パナマ/西ヨーロッパ(9カ国):イギリス、ドイツ、フランス、オランダ、ベルギー、スイス、オーストリア、アイルランド、ルクセンブルク/南ヨーロッパ(10カ国):スペイン、イタリア、ポルトガル、ギリシャ、セルビア、クロアチア、スロベニア、マケドニア、マルタ、モンテネグロ/東ヨーロッパ(10カ国):ロシア、ポーランド、ウクライナ、ルーマニア、チェコ、ハンガリー、ベラルーシ、ブルガリア、スロバキア、モルドバ/北ヨーロッパ(8カ国):スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、ラトビア、リトアニア、エストニア、アイスランド/中央・西アジア(9カ国):トルコ、イスラエル、カザフスタン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、キルギス、アルメニア、カタール、キプロス/アフリカ(11カ国):エジプト、カメルーン、アルジェリア、エチオピア、ガーナ、セネガル、モザンビーク、モーリシャス、ザンビア、ルワンダ、マリ
5 )調査結果の構成比は、小数点第2 位以下を四捨五入しており、合計値は必ずしも100%とはなりません。
6 )本レポート詳細については、当社WEBサイトに連載として掲載しております。
URL:https://corporate.resocia.jp/ja/info/investigation 連載:「データでみる世界のIT技術者」グローバルレポート 第11回~15回
世界各国から優秀なITエンジニアを採用し、国内企業に派遣するグローバルプロジェクト。世界40 を超える国から800 名以上を採用し、国内企業に派遣しています。日本語教育にて30 年以上の実績をもつグループ会社のノウハウを活用し、ITエンジニアとして必要な日本語力を育成したうえで、顧客企業のITプロジェクトに派遣しており、海外ベースのITスキル、開発手法、発想、アイデアを「派遣活用」できることが特長です。
サービスサイトURL:https://git.resocia.jp
ヒューマンリソシア 会社概要
1988 年創業以来、人材派遣、正社員紹介、アウトソーシングなどの幅広い人材サービスを全国28 拠点で展開しています。グループ内の教育事業をバックボーンにしていることが強み。また、多様な雇用形態と女性・シニア・グローバルなど多様な人材を組み合わせ、最適な人材ソリューションを提供するとともに、求職者それぞれの働き方にあったキャリア形成を支援しています。 ※拠点数は2020 年4 月時点
<本件に関するお問い合わせ> ヒューマンリソシア株式会社 広報担当:吉田 まで
Tel:03-6894-3317 / Fax:03-6846-1135 / E-mail:resocia-pr@athuman.com
<リリースに関するお問い合わせ> ヒューマングループ 広報担当:外川 まで
Tel:03-6846-8002 / Fax:03-6846-1220 / E-mail:kouhou@athuman.com
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